最初で最後のセレナーデ




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この世界に、触れてはいけないことがいくつあるのだろうか。
タブーと呼ばれるもの。
触れてはいけないもの。
それに触れてしまったら元に戻れなくなるかもしれない。
最悪大切な物を失ってしまうかもしれない。


だから、人は自ら逃げる。
好奇心よりも身の安全を優先させて。








「——い、おい、灰里?」


「…あ、悪い。考え事してた。」


「何だよ、夜弥さんに惚れたか?」


「違うから」




だけど、ある人は、
気付かない内に手を伸ばしている。
否、引き寄せられている。
魅せられている。


その危ない存在に。