最初で最後のセレナーデ





「何だそれ、漫画じゃあるまいしそんな都合の良い所あるわけないだろ?」


「僕もそう思ったんだけど」




やっぱり噂に過ぎないよな、と続けると少年は目を静かに伏せていつもの調子で零す。


「まぁ、あったとしても行くわけないけどな」


「何かあったら困るしな」



蒼葉は同調する様に何度も頷き、ふと近くの公園に目を向けた。




「お、夜弥さん!」


「…蒼葉くん、」



夜弥と呼ばれた艶のある黒髪を腰まで伸ばした女性は、蒼葉の顔を見るなり柔らかく笑みを浮かべた。
その笑顔は、過去に出会った誰かに似ているようで———