「暴姫がいたら最強だと思ったのに」
目の上に右腕を乗せて弱ったような声を出した。
「調べればいいじゃねぇか」
「それができたらとっくに調べてるよ。無理だからこんなに困ってんの。暴姫は強いだけじゃなくて、頭の回転も早い」
「つうことは先に手を打たれてるってことか?」
そういうことになるね、と言って起き上がり
背もたれに体を預けるように座り直した。
「俺の予想なんだけどさ、暴姫は今日溜まり場に居ると思うよ。今日正式に総長交代するんじゃないかなって。もしかすると……今日限りで紅から姿を消す…ってね」
「何でわかんだ」
「言ったでしょ、俺の予想だって」

