「凛香も自分で気をつけなよ。口滑らないように」 その言葉に、 チッチッと言って人差し指を咲希の目の前で動かし… 「あたしの口が滑るわけないじゃないか!」 そう言って笑う。 あたしの口がそう簡単に滑る訳がない なんてったって… 咲希よりも、あたしの方が口堅いしね! 今までだって 口が滑ったこと、一度もなかったんだ 滑るはずがない。 「…大きな声出さなくても聞こえるから」 ちょっと眉を寄せてダルそうに 放たれたその言葉をあたしは聞かなかったこ とにしよう、うん。