佐伯さん




頬はチークで真っピンク。
睫毛なんて、そこらのギャル並にバサバサしてやがる。


もしかしたら、ギャル以上にヤバいかもしれない。




あれだな。睫毛二重重ねにして、その上からマスカラ塗りたくった感じだ。



40代独身のオバチャンの化粧がここまでくると、ただの妖怪にしか見えないじゃないか。


なんとも恐ろしい光景。



そんなことを考えながら後ろの席まで歩き、席につく。



「高橋くん、おはよう」



妖怪ババァ担任の話が教室内に響く中、
静かに朝のあいさつをした。


「…おう」



元気のない今日の高橋くんはそれだけ言って


窓の外に目を向ける。