「か、か、か、かんっ…間接キスだ」
間接キスよりもあたしはいつもよりワンテンポ早く言った蓮の声に驚く。
いつもはもっとゆったりした口調なのに。
てか。間接キスって……
そんなくらいで頬を赤く染める蓮に疑いの目を向ける。
今さらじゃないか!
今までだってこういうこと普通にしてきたじゃないか。何で頬染めて驚いてんだ…
どーせ演技なんだろうな。
のんびりと考える。
うん、絶対演技だ。これはただふざけてるだけだなー
「そういう演技やめてくれ。非常に扱いに困るぞ、あたしは!」
「なんだよ~、つれねえじゃねえか」
こっちが何だよ、と言いたい。
何なんだ!
君はさっきから何をしたいのかね?
うん?言ってみなさい、ほら。このお姉さんに言ってみなさい「ほら!」
「なにが、ほら!なんだよ~頭イカれちまったか~?やべえな…救急車に助け求めねえと」
「待て!ちょっと落ち着け!救急車とかやめてくれ」
ガチで救急車を呼ぼうとしてるんですけど!
蓮の手に握られている携帯を手から離して遠ざける。

