佐伯さん



あたしが言うまで待つつもりだろうか…

最後の一口を口にして、食べ終わった食器を運ぶ。


カチャンという食器の擦れた音が聞こえた


「凛香、」


さっきと違う喋り方。
雰囲気がガラリと変わり、低い声で短く言った。


「なに?」


振り返れば蓮のその顔に笑顔は張り付いていなくて……、


まぁ予想はしてたけども
笑っていないんだろうな、とは思っていたけども。


そんな顔で名前を呼ばれたら責められてるみたいで何か嫌だ。



「…お風呂入ってくる。その後話すから」


そう言えば、


「よーく考えてきなさいよ~」

そんな、
いつもと同じゆるい言葉が返ってきた。




考えてくるさっ
言われなくても、最初からそのつもりだ!



あたしがいつもいつも馬鹿な事とかしてると思ったら大間違いだぞ。こういう時くらいあたしだって真剣に考えるんだからな