佐伯さん




ほんとにもう、相変わらず口悪いし無表情だし冷たいし。

ひどい!!


「高橋くん、それは酷いよ」


「…悪かった」


そう言った高橋くんは、あたしの前を通りすぎ自分の席へと歩いて行った。


高橋くんは、いつもそうだ

何かするたびに“悪かった”で済ませようとする。


絶対、悪かったなんて思ってないんだろうな


くそっ!
ちょっくらカッコいいからって、背が高いからって、頭がよくて欠けてるとこがないからって…

何でも許されると思うなよっ!


あ。間違った
欠けてるところ、あるじゃないかっ

ほら、優しさとか。
人間欠けてる部分はあるって言うからね!


はっはっはっ!!