俺、猫。


娘が帰ってきた。

今日は木曜日だから小僧が来る日だ。

今日こそは今までの恨みを晴らしてやろう。
気安く撫でてきたら噛み付いてやる。
そのつもりでいた。



「・・・・・ただいま」

しかし、今日に限って小僧はうちに来なかった。

「お帰り」

人間には「にゃー」としか聞こえないだろう。

「うん。ただいま」

これが結構伝わるものだ。
娘は俺の頭を撫でた。
俺は喉を鳴らす。


「はぁ・・・」

「・・・・・・」

・・・・・・・・・。どうした。

「癒されるなぁ」

おかしい。

この娘、今まで俺を褒めたことなどなかった。
なんだろう、気色悪い。


「どうしたんだよ」

にゃーご。

「さ。お風呂は入ろっと」

最後に力強く俺を撫でると、立ち上がって去って行った。

「俺の質問に答えろ、小娘!」

にゃーご。にゃー!