俺、猫。


俺の住む家には娘が一人居る。

この娘。朝早くに起きると、堅苦しいスカートという服を着てさっさと出て行き、日の暮れた時間に帰ってくる。

行く直前と帰った直後に娘に擦り寄ると、酷く迷惑がられる。

ああ、そうだ。
先ほど名前は知らないと言っていたが、よくよく思い出せば、娘が俺のことを呼ぶときにこう呼んでいた。

「猫」

・・・・安易過ぎだ。

向かいに住み着いている犬でさえ、ポチと呼ばれている。
もう少しくらい考えてくれてもいいと思う。