俺、猫。



「どうぞ」
「いただきまーす」

にゃーと言いながら、俺は煮干しにガッついた。
よくよく考えると、今日はまだ朝食を取っていない。


「アイツ、元気か?」

「そりゃあ、自分で聞け」

にゃあ。


「そうだよな。自分で聞かんと駄目だよな」

小僧からしてみれば、俺は「にゃあ」としか言っていないのだが、何故か会話が成立しているようだ。

小僧は背伸びをした。

「でもなー」

俺は小僧を見た。
その目は遠くを見ていて、諦めている目だった。

「・・・俺には勿体無い奴なんだよ」
「は?」

何だこいつ。
カッコつけた台詞をはきやがって。

「アイツにとって、俺は邪魔になるんだよ」

こいつは馬鹿なのか?アホなのか?

小僧は続ける。

「俺は家の農業を継ぐってもう決めた。だからこの町から出ることはないと思う。
けど、アイツは田舎にいないほうがいいんだ。
なんとなく分かる。
アイツは大物になるって。
だから、俺とずっと一緒ってことになったら田舎に住むようになるんだぞ。
そんなの駄目だ」
 


だから、別れたんだ。
そういい終えた。