大通りに出る寸前で突然つー君が叫んだ。
「修二!」
黙って振り返ると、
「アツシ、今週中ならバイト先にいるから…っ。」
つー君の言葉の意味を理解するのに少し時間がかかった。
「今週中なら?」
修二が聞き返すと、
「辞めるって言ってた。」
つー君が力なく答えた。修二は「わかった。」と静かに言った。
つー君をこれ以上問いつめても仕方がないと思っていた。
アツシに会えればわかるかもしれない。




ずっと他人のプライバシーに土足で入るような真似は嫌いだった。
いくら友達でも全てを把握する必要なんてどこにもないと。

「つー君。」
修二は自分の今までかたくなに守ってきた一線を越える決意をしていた。
「…何があったかわかんねぇけど、俺、力になるよ。」