―水曜日。
修二は朝からバタバタと大忙しだった。
今日は午前中から取引先での会議がある。新しいプロジェクトのプレゼンが予定されていたため、資料やら書類やら何かと荷物が多い。

「宮本!そろそろ出るけど準備できた?」
浅井が入り口で修二を急かす。
「はいっ、今行きます!」
修二は荷物を抱え浅井の後を追った。





会議が終わって取引先を出たのは夕方だった。
会社に戻る途中のタクシー内で浅井と修二は二人揃って居眠りをしていた。
「混んできたなぁ…。」
タクシーの運転手のボヤキで修二はうっすら目を開けた。
隣をみると浅井も腕を組んだまま寝てしまっている。夕刻時も重なって前方に赤いテールランプの列が見えた。