一人、シンヤが夜の街を歩いている

 誰もいない、寂れたビルが並ぶ街。
そんな街を歩くのが好きなシンヤ。
 まだ17という年齢のため、あまり夜に出歩く事はできない。
 たが、シンヤにとって夜の街は、どこか惹かれるものがあった。


「 今日は満月かぁ 」

満月は‥好きじゃない
寂れた街には闇が似合う

 時計塔を見る。
 あと15秒ほどで10時になる。
 10時には時刻を知らせる大きな鐘が鳴り
 10時以降に警察に見つかると厄介な
事になる。


「 あっ、ヤベェ!早く帰らないと 」

 シンヤは来た道を小走りで戻る。


ん?ここ通った方が早いな…

 近道をするため
 13階ほどのビルの細道に入って行った。もうすぐで鐘が鳴る…


走ればすぐ家につく…



   ゴー !!!!!パーンッ!!!!! ゴーンゴーン


「 っ!?…な、銃声?」
 10時の鐘と重なるように銃声のような音が響きわたる。

結構、近くから聞こえたような…

 すると、どこからかサイレンの音が聞こえる。

なんか事件でもあったのか!?

 あまりの突然な出来事に動けないでいるシンヤ。
 その上からカタカタと階段をかけ降りる音が聞こえ始めた。