「葉月。戻んの?」
ただ聞かれてるだけなのに、顔が火照る。
佑真君にそんな顔を見られるのが恥ずかしくて、ついプイッと顔を背け、
「まあ、……そりゃあね」
なんて平然を装って答える私。
そんな自分が佑真君の目にどう映っているのかが気になって仕方ない。
普通に考えたら、小学生にどう見られようと気にする事なんて無いのに。
「合コンなんて、……何で来てんだよ」
佑真君が小さな声でポツリと呟いたが、自分の心臓の音が頭に響いている私の耳には入ってこない。
「えっ?」
「別に」
慌てて聞き返したけれど、佑真君は唇を尖らせてそっぽを向いたまま。
何で腕を掴まれたかも分からない。
結局、無言の時間が少し流れた所で私が痺れを切らし、
「じゃあね」
と、口にした。
が、普通ならここで佑真君の手が私の腕から離される筈なのに、佑真君は私の腕を掴んだままで離さない。



