それに、「何だよ?」と唇を尖らせる佑真君の足が僅かに後ろへ下がったのは、防衛本能からかもしれない。
「これは、私。佑真君の弱味を握った的な」
「握ってねぇし」
ぷうっと佑真君の頬が膨らむ。
そんな仕草はやっぱり小学生だ。
「まあまあ、そう膨れなさんなって」
「うっぜぇ」
ぶすっとしている佑真君を見ていると思わずクスクスと笑い声が漏れる。
このまま余り合コンから逃げちゃいたいなぁ……。
佑真君に出会ったせいかそう思うも、直ぐに鋭い目を私に向けてくる夕香の顔が浮かぶのは何も言わずに去った後の夕香のお説教が嫌だからだ。
戻らないと、……ダメだよね。
ふぅっと息を吐くと、まだ目の前に居る佑真君にじゃあね。と言いクルッと背を向ける。
が、その瞬間ガシッと腕を掴まれた。
掴まれた事に驚いて振り返ると、佑真君が真っ直ぐ私を見つめている。
ドクドクドクと心臓の大きな音が頭に響く。
何か、……何か……、
凄くドキドキする。



