恋のお相手は小さな男の子




はなちゃんの視線を辿ると、こっちへ歩いてくる3人の男性が目に入る。



「ごめんね。待たせちゃった」



そう言いながら少し頭を下げて先頭を歩いてくるのは、茶髪とタレ目が印象的な男性だ。



「いえ、全然。私達も今来た所ですから~」


「本当?」


「もう~。本当ですよ~」



何故かやたらと語尾を伸ばす夕香と、そのタレ目の彼が会話を交わしている間に、私達の前の席へと3人の男性が腰を下ろす。


左端から、茶髪で黒縁眼鏡を掛けたお洒落さん。焦げ茶の髪で長いのかちょろんと後ろで1つに纏めているロンゲさん。


そして夕香と会話をしていたタレ目さん。


その順番で座ったのだが、右端に座っていた私の前には誰も居ない。


明らかに一人少ない。


そして、……明らかに私が余った。



「あれ?一人少なく無いですか?」



呆然としている私に気付いたのたか、夕香がタレ目さんに問い掛けてくれたが、


「えっ!」


と、周りをキョロキョロ見渡すだけ。