私が振られた理由。
私服がダサいとかそんな事だったら、まだまだ頑張ってみれたかも……。
お洒落雑誌とか読み漁るとか。
でもそんな事が理由じゃない。
三浦先輩は、私の事を嫌いではないんだ。
でも、私と同じ好きでもない。
好きの種類が違ったってやつ…なんだと思う。
「小動物みたいなんだって。でも、それだけ。可愛いけど、ペット感覚にしかならないって」
三浦先輩が『葉月ちゃんは可愛いよ。でも、僕の中ではペットみたいなんだ』と言いにくそうにしながら口にした姿が頭から離れてくれない。
ペットって……。
ペットは恋人にはなれないんだ。
そう思っていると、ジーっと後ろから突き刺さる様な視線を感じる。
そしてクックッという笑い声の後に、
「あー、ぽいな」
と言ってくる後ろの彼。
完全に馬鹿にしてる!
そんでもって、私の事を三浦先輩と同じ様にペットだと思ったぞ、この人!
「ひどっ!!」
頬を膨らませて文句を言うと、面倒臭そうな声音で、
「あー、うっせぇな」
なんて返ってくる。



