低くて、でもどこか高さも含むその声音。
「えっ!?」
声の聞こえてきた方へと顔を向けると、眉間に皺を寄せて、スタスタとこっちにやって来るその人。
驚きからか目が離せない。
そして、私の目の前までやって来ると、
「わりぃ。待たせたな」
そう言って私の腕をガシッと掴む。
「えっ?」
何で、佑真君が?
そんな疑問から、掴まれた腕と彼の顔を何度も交互に見るが、全く現状が掴めない。
私の前の席に座っている三浦先輩は、最早突然の事に驚き過ぎて固まってしまっている。
そうこうしている間にも、
「ほら、行くぞ!」
と、佑真君に強引に腕を引っ張られる。
「えっ?えっ?」
「いいから、行くんだよ!」
「な、何故に?」
引っ張られながらも、いっこうに席から立とうとしない私を見かねたのか、「いいから!」とグイッと私の腕が思い切り引っ張られた。
「うわっ!」



