「それは良かったです。相良先輩に伝わると良いですね」
「うん。……いやいやいや、僕の事じゃないしね!僕が萌の事、好きって事じゃないしね!」
「は、はぁ」
一気に顔を真っ赤にして否定しまくる三浦先輩は、間違いなく相良先輩がずっと好きなのだろう。
相良先輩はなかなか強敵ですよ、三浦先輩。
あたふたとしている三浦先輩を見て、ふふっと笑う。
好きな人が、好きだった人に変わっていく。
それに必要なのはやっぱり時間で。
どうやら私は告白してスッパリ振られた分、好きだった人に変わっていくのが早いみたいだ。
今も三浦先輩の事は嫌いじゃないし、ドキドキもさせられる。
けど、三浦先輩の恋が実ります様に。
そう少しは祈れる位は心に余裕が出てきてる。
ぼけっとそんな事を考えていた時に、「葉月ちゃん…」と三浦先輩が私の名前を呼んだと思ったら、
「葉月!」
店内に私の名前が響き渡った。



