「俺も癪だけど、初めて会った時から葉月が恋愛対象に入ってる」
そこまで言った時、佑真君の顔が私の左肩へとこつんとぶつかった。
「っていうか、……今は葉月が好きだ」
ほら、……今度こそ…勘違いしてなかったじゃん。
佑真君と私、……両思いじゃん。
何これ。
…………すっごい嬉しい。
「おっ、……遅い……し、……言うの」
「まだ間に合うだろ」
「間に合うに、……決まってるよ」
涙と鼻水でぐちゃぐちゃの顔をしているくせに、相変わらず減らず口な私の耳元で佑真君のクスクス笑う声が聞こえる。
勘違いじゃなくて本当に、……両思いってあるんだ。
こんなに嬉しいんだ。
そんな気持ちを口には出さずに、両手を佑真君の背中へと回すとギュッと自分の身体を近付けた。
身体全部に伝わってくる佑真君の体温が心地良い。



