願い下げなんて絶対にないのに。
思わずキリッと唇を噛み締める。
それでも自嘲気味の佑真君の声は耳に届いていて、私へとまたあの爆弾を落としてくる。
「俺は誰から見ても葉月よりも年下に見える年上なんだよ。なっ、『好き』じゃねぇだろ?」
ほんと、何回勝手に否定するつもりだ。
ほんと、ムカつく!
だから、……何度だって言ってやる!
「『好き』だよ!!」
私のその叫び声が響くと、目を丸くして「えっ?」と声を漏らす佑真君。
それに合わせてスーっと大きく息を吸う。
今度は私の番。
私の言いたい事をちゃんと聞いてもらう番だ!
「私は、佑真君が小学生だから好きになったわけじゃないもん。寧ろ、小学生を好きってどうなんだろうってすっごい迷ったりしたんだから」
息を吐き出すと共に出した言葉は、自分の口から出ているのに少し震えて掠れていて。
何だか自分の声じゃないみたいに聞こえる。
きっと佑真君にちゃんと伝えたいのに、伝わらなかったらどうしよう…っていう不安からなんだと思う。



