その見栄……、凄い自分勝手。
なのに、……凄い胸がキュッって締め付けられる。
引いていた血の気がまた戻ってくる。
「もしかして、もしかして、……本当の佑真君って、この事?」
それに佑真君がコクンと首を縦に振る。
そして私と目を合わすと、ゆっくりと口を開いた。
「俺はさ、もう大学3回生なんだよ。こんな見た目だけど。悲しいかな、普通に初めて会った奴にはたいがい小学生か中学生に間違われる」
「…………」
私も間違えていたのだから何も言えない。
でも佑真君はそんな私の反応も予想していたかの様に苦笑いを漏らす。
「俺はさ、もう成長期も終わってる。だからさ、これ以上身長が伸びる事も無い。俺はこれからもずっと葉月よりも背が低いままなんだよ。そんな男なんて、……誰だって願い下げだろ?」
「そんな」
「葉月が好きだって言ってくれたのは『小学生の高橋佑真』にだろ。小学生なら、身長もまだまだ伸びるもんな」
そんな事ない!って言おうとした私の言葉に言葉を被せてくる佑真君に私の気持ちは届いてくれない。
それ程までに佑真君は自分の身長がコンプレックスなんだ。



