「じゃっ、じゃあ、佑真君は……」
「大学3回生。畑野と同じ」
聞かなくても、今日ここで会った時からそうだって分かってた。
でも、お兄さんに会いに来たとか、そんな感じの理由が佑真君の口から出るのを少しだけ期待してた。
嘘を吐かれてたっていう事よりも、佑真君にとって私が本当の事を言えない位のレベルだったんだろうなってのが、……凄い悔しい。
「何で……嘘、…ついたの?」
「最初に間違えたのは葉月だけどな」
「……ハッ!ご、…ごめん!」
よくよく考えれば、初めて会った時に小学生って言ったのは私だ。
黒のランドセルを持ってたから勝手に思い込んじゃったんだ。
私、佑真君の嘘を責めれる立場じゃないじゃん!
サーっと顔から血の気が引いていく気がした瞬間、フッと佑真君が自嘲気味に笑う。
「まあ、でもそれに便乗したのは俺だ。嘘をついた理由は強いていうなら見栄…だな。俺に愚痴を漏らす馬鹿に年上なのに小さいって思われたくなかったっていう」
愚痴を漏らす馬鹿って、
……それって、……私の事…だよね。



