恋のお相手は小さな男の子




いやいやいや、似過ぎでしょっ!


っていうか本人でしょ、これ!


いや何て言うか……、


「はっ……、はあぁぁぁぁぁぁあっ!!」


私の叫び声が響き渡る。


当然、一気に周りからの視線を集めたとは思うけど、本当にそれどころじゃない。


だって、私の目の前で目を見開いて驚いている『はーちゃん』もとい『はっち』なる人はどう見たって佑真君なのだから。



「えっ?…は……づき?」



彼が私の名前を呼ぶ。


私の名前を呼ぶ時点で、もう彼は佑真君なんだ。



「どどどど、どういう事!?わわわ、わけ分かんない!」



動揺し過ぎて思い切り噛みまくると同時に、佑真君を差したままの指がガクガクと揺れる。


そんな私達を見ていた畑野さんが不思議そうに首を傾げる。



「あれ?やっぱり知り合いだった?」


「知り合いっていうか……」



私の好きな人ですけど!寧ろ、この間告白しましたけど!



そう言葉を続けようとした所で、佑真君が言葉を被せてきた。



「畑野、わりぃ。俺、ちょっと用事あったから」



そう言って佑真君が私達に背を向ける。