私の予想では『はーちゃん』は、……イケメンではないんだろうな。ユリさんや、ユリさんの友達に恋愛対象外って言われてた位だから。
せ、…切なっ……。
今の私の気持ちと同じ位、切ない。
またしても佑真くんの事を思い出してしまって、一人ガクッと肩を落とした時、近付いてくる足音と共に、
「わりぃ。俺、遅れた?」
という低いのにどこか高さも含んだ心地の良い声が響いた。
「あっ、はっち!いや、遅れて無いよ」
「そか。良かった」
畑野さんが声の方へと顔を向けるのと同時に私も顔を向けたのだが、その瞬間驚き過ぎて動きが止まった。
それでも必死で口を開く。
「えっ、あの、……はっち?」
『はっち』と呼ばれた彼を震える手で指差す私の方へとゆっくりと顔が向けられる。
その顔は予想とは違い、悔しい程格好よくて。
振り向く時の、
「ん?」
というその声は大好きな声音で。
私の胸をギュウッと締め付ける人と同じ。
寧ろ、違いが見付からない位同じ。
……って、そんな事あるの!?



