恋のお相手は小さな男の子




一度、ごめんね。と申し訳なさそうな顔を私達に向けると、また入り口へと目を向ける。


と、同時に彼女の目がカッと見開かれた。



「あっ、来た!遅い!」



彼女の声が響いたのに続いて、男性の声が響く。



「悪い。混んでた。っていうか、ユリがもっと速く足りない事に気付いてたらこんなに慌てなかったんだけど」



小走りでこっちに近付いてくる足音。



「もう、そこをフォローするのが男でしょ!」


「はいはい」



そう苦笑しながらコピーし終えた資料を持って来た男性へとふと目を向けた。



「あっ、……畑野さん?」



気付いたら口から漏れでていたその言葉に反応して、こっちを振り向く男性はやっぱり畑野さんで。


私を見た畑野さんは動きを止めて目を丸くする。



何処かで聞いた声に似ているなとは思ったけど、まさか畑野さんだったとは。


意外と世間は狭い。