彼女がこの世から姿を消しました




葬式には出た


最後の優希は人形のようで


魂が抜けた身体は、どこか本人とは思えず


何故かそれが悲しくなった


もう、この身体にはあの子の魂は入っていなくて


魂は遠い遠い手の届かない場所に行ってしまった


魂のないこの人形は


地に返すために火葬された


灰になった彼女には


もうこの世に帰る術がなくなった


「優希…」


君の名前を呼ぶなんて


何度目なんだろう


「豊岡君」


名前を呼ばれて振り向くと優希の母親が立っていた


優希は母親似だ


一瞬優希かと思う位似ていて我慢していた涙が溢れ出た


「豊岡君…優希と遊んでくれてありがとう」


「…っ」


優希


大好きだよ


死んでも


大好きだ