席についても何も話さない隆司。
お喋りな彼にしては珍しい。
不安が募っていく。

「ねぇ…」
「話がある」
固い声に体がびくりと反応する。
何…?
「別れよう」
「…え?」
「もう一緒にいられない」
足元が崩れていくような感覚。
今…何て言ったの?
「どうして?私を嫌いになったの?」
首を横に振る彼。
だったら…なんで…
意味が分からないよ…
涙が頬を濡らす。
次から次へと溢れてくる。

「俺行くよ」
「待って…!」
「…ごめん」

ひとり喫茶店のテーブルに残されてしまった。
涙が止まらない。
周りからの好奇の視線を感じる。
でも構ってなんかいられない。
私はうつむき泣き続けた。