人が人である前に、 一つの愛から種ができ、 その種は愛に包まれ芽を息吹く。 母なる海で呼吸をし、 大海へと投げ出された。 そこで、産声をあげた。 そこでは、もう海で呼吸はできなかった。 大地には、独りで足を踏み締め立ち上がるしかなかった。 上を見上げれば、 そこには空があった。 下を見下げれば、 そこは既に足の踏み場がやっとあるかないかぐらいの 険しい道が延々と続いてた。 ‘果て’が見えそうで見えなかった。