「可愛いからいいじゃん。」
「いや、可愛いと校則は関係無いから!!」
「それくらいじゃあ怒られねぇって。」
ど、どうなんだろうか。
「だいたいイメチェンには髪型かえんのが手っ取り早いんだよ。」
…手っ取り早いって他人事みたいに。
「それと、お前ニキビできはじめてんだろ。」
…テンパドールにしたときに少しばかりおでこに触ったのだろうか。
まだ、赤く目立っていないが、確かにでき始めているのには実感している。
「ぉ、乙女の悩みをドストレートにつくなよな。」
唇を尖らせムスッと言うが、一方の彼は顎を上げ見下ろすようにし、腕を組ながら私を見てきた。
「…なによ。」
「とりあえず背筋のばせ。」
不本意ながらもゆっくりと背筋を伸ばす。
「今日は宿題やって、すぐ寝ろ。いいな。」
「なんで。」
「ニキビには睡眠が、一番なんだよ。」
「なんか親みたいなこといってる。」
「ぶつぶついってねーで、早く宿題終わらせろ。」

「……はい。」


これが、私と妖精さんとの出逢いでした。