「このままこうしてたら、あたしたち死んじゃうかなぁ。」
「そりゃー死ぬだろ。」
「だよね。」
ふふ、と笑った雪乃の澄んだ声が
雪を通じて伝わってくる。
繋いだ雪乃の左手に、俺があげた指輪の感触を感じた。
それだけで
どうしてこんなにも
幸せだと、思えてしまんだろう。
「ねぇ、珊汰。」
「んー?」
「クリスマスって、キリストが死んじゃった日じゃない?」
「そうだっけ?」
「そうだよー。」
空を仰いだまま、会話を交わす。
深々と降り積もる雪が、俺たちを彩って。
「なのに何で、人はクリスマスを祝うのかなぁ。」
「…そうだな。」
もっともな雪乃の疑問が、切なく雪に溶けてゆく。
それでも、繋いだ手は離さなかった。
しばらく続いた沈黙に
「でも、」
と口を開いた雪乃は、静かに
だけどハッキリと呟いた。
「珊汰となら、あたし死んでもいーよ。」

