だけど、こんな田舎でも
学校は楽しかった。
「冬崎 珊汰です。」
元々人見知りとは無縁の俺は、新しい高校に馴染むのも簡単で。
何隔たりなく人付き合いが出来るようになったのは
幾度となく引っ越しを繰り返してきたからかもしれない。
「なぁ、珊汰。」
「ん?」
「お前、好きな子とか出来た?」
興味津津、といった感じで
転校してきて間もない俺に、そんなバカな質問をしてきたのは
今一番仲の良い、マコト。
「そんなの、いねーよ。」
「嘘つけよー、可愛いなって思う子くらい居るだろ?」
…可愛い子、ねぇ。
昼休みで騒がしい教室。
俺は頬杖をついたままぐるりと教室を見渡した。
そして、目に止まった一人の女の子。
「…あの子、」
「え?」
ボソっと呟いた俺の視線を辿ったマコトは、小声で耳打ちしてくる。
「堀口?ショートの?」
「違う、その横。前髪パッツンの。」
本人に気が付かれないよう、顎で合図を送る俺に
「え、保科!?」
と驚くマコトは目を丸くして俺を見た。
「何、可愛いじゃん。」
「いや、確かに可愛いけど、」
口ごもったマコトに、眉間にシワを寄せる。

