「ほら、前に珊汰に紹介した人居たでしょ?」
カチッとライターで煙草に火を付けたおばさんは煙を吐き出しながら続ける。
「この前、プロポーズされてさ。結婚なんて、って思ってたけどもう一度誰かを想って生きてみるのも悪くないかなーって思ってね。」
ふふ、と笑ったおばさんは母の顔ではなく
一人の女としての笑顔を見せた。
「だからあんたは心配なんかしなくていいのよ?」
「…母さん……。」
ぎゅっと握った珊汰の拳が、視界の端で揺れて。
「自分の幸せは自分で掴むんだよ、珊汰。だけど、幸せって一人で感じてもつまらない。だから、」
珊汰に似た、優しいおばさんの笑顔があたしに向けられた。
「二人で、見つけるの。幸せになる未来をさ。」
珊汰の一番好きな所。
それは、親思いで
優しい所。

