「だ、だからね、珊…、」
続けて口にしようとした言葉は、珊汰の温もりに遮られた。
「…ありがと、雪乃…。ごめんな。」
耳元に感じる、懐かしい珊汰の声。
思い出の中に刻まれた、優しい珊汰だった。
ねぇ、珊汰。
渡せなかった誕生日プレゼント。
何だかわかる?
もうボロボロになっちゃった珊汰のマフラー、また編んでみたんだ。
今回は、前よりも上手く出来たんだよ。
白と黒のマフラー。
また、前みたいに喜んでくれるかな。
ダサい、なんて言われたらあたし、泣いちゃうからね?
…それと、もう一つ。
いつの日か、二人で貯金しようって話した事、覚えてる?
お金貯めて、旅行行きたいねって。
だから、貯金箱。
もちろん、ブタさんの。
だけど、旅行資金じゃなくて
これからは、結婚資金貯めなきゃね。
……珊汰。
大好き。
大好きだよ、本当に。

