「可哀相だよなぁ、保科も。珊汰も珊汰だけどさぁ。」
「いや、一番可哀相なのは珊汰だろ。」
……何?
何の話……?
あたしは咄嗟に校舎の影に身を隠すと
深夏もそれに伴って隣に隠れた。
話してるのは、いつも珊汰とつるんでるマコトくんと山下くん。
時折、ボソボソと聞こえる声。
だけどハッキリと聞こえたのは――…
「急遽決まったらしいぜ?おばさんの転勤。しかも横浜。そりゃ遠いよなぁ。」
「でもだからってせっかく決まった専門蹴るなんてよー、もったいな…、」
会話が止まった。
「ちょ、雪乃っ!」
慌ててあたしを止めた深夏の声は、耳に届かなくて。
「どうゆう事……?」
そう呟いたあたしに
マコトくん達は不自然に視線を逸した。

