しん、と静まり返る昇降口に響くのは
あたしが鼻をすする音。
それに、珊汰の溜め息。
「答え、決まったら教えて。それまでは話せないから。」
吐き出された珊汰の言葉は、やっぱり刺のある冷たい口調だった。
俯いていた視界に、珊汰のスニーカーが外へと向けられ
ゆっくりと顔を上げた時には既に珊汰の背中は校門まで遠ざかっていて。
それがぼやけて見えるのは、涙があたしの視線を邪魔してるから。
そして、ふいに見上げた空から舞い落ちてきたのは
あの、真っ白な雪。
「…雪だぁ……。」
と呟けば、景色は一瞬にして雪化粧へと変わっていった。
降りしきる、スノーパレード。
大好きなはずの雪。
なのに、心はぽっかりと穴が開いたように隙間風が吹き付ける。
「珊汰……。」
愛しい名前は
一人きりの昇降口で涙に変わった。

