静かになった昇降口で
「言っておくけど、」と口を開いた珊汰は
「結婚する気ないなら、俺は話なんかないよ。」
そう言って壁に寄り掛かった。
心なしか、珊汰の口調に刺があるのがわかる。
ううん、今目の前に居る珊汰は、あたしが知ってる珊汰じゃない。
優しかった、あの珊汰じゃない。
「…どうして……っ?」
泣いたらダメだ。
「どうして…、そんなに結婚…急ぐの?」
これは別れ話なんかじゃない、話し合いなんだから。
「理由、教えてよ…。」
ねぇ、珊汰。
お願いだから、また笑ってよ。
何でいつもみたいに、あたしを抱き締めてくれないの?
こんなんじゃ
本当に、本当にあたし達
終わっちゃうよ――…

