「ここだ」



透の視線の先にあるのは、大きな倉庫だった。

まさしく、不良、って感じの。



凄い・・・・・・。



それが第一印象だった。


私の執事が、こんなに大きな倉庫に出入りできる不良だったなんて。




ガラッ


透は、なんの迷いもなくシャッターを開けた。


途端に、ざわめきと歓声が辺りを包む。



「うおおお!!葉月さん!!!お疲れ様ッス!!」



「お元気でしたか!!?」



「なんで女がいるんすか葉月さん!!」



「総長ー!!今度稽古付けてくださーい!!」


凄…。

不良って、一人来ただけでも、こんなに盛り上がるんだ。


・・・・・・あれ?



今、最後に言った人。



「総長!?透って総長だったの!?」



「あ?言ってなかったか?」



「言ってないわよ!えー!嘘!凄い!」