そんなこんなで、私はその週末、透の仲間とやらに会いに行く事になった。


「運転手の田中さんに近くまで送ってもらう事になっておりますから、そろそろ出た方がよろしいかと思いますがお嬢様」


「ええ、そうね。今行くわ」


透の言葉にうながされて、自室を出る。




透は、私を見て微笑むと、皮肉を込めた様に口を開いた。



「お嬢様、今日も大変美しゅうございます。ささ、参りましょうか」



「お世辞だってバレバレよ透」



「お世辞だと分かるように言ったのですから当たり前でございます。むしろ分からない様ならお嬢様の馬鹿もそこまで達してしまったというだけの事」



「何よ”そこまで”って!私はそんなに馬鹿じゃないわよ!」



「そうでございましたね、超絶馬鹿お嬢様」



「だから馬鹿じゃないって言ってるじゃない!」




本当、毎度毎度この執事は・・・・・・っ!!


ていうか、私をイジってるとなんでこんなに生き生きしてるのよ!



このドSが!



「お嬢様、早くお乗り込み下さい、ウスノロですか」




「うるさいわね!今乗るわよ!どうして執事ごときに私がウスノロ扱いされなくちゃいけない訳!?」



「それでは、出発いたします」



「普通にスルーしたわね今!?」



「左様にございます」



「何が”左様”よ!わざとらしく礼儀正しくしちゃって!」


そんな言い合い(?)をしているうちに、仲間がいるという場所の近くに着いたらしく、車が停車した。