眠い。
こんな入学式で良いのだろうか。

「遥〜」
「あ…」
彼女は一ノ瀬 乙葉。
素直で優しい私の親友。

「メール見た?」
「え、見てなーい」
「見てよ」
「あ、いいけど」

ポケットから携帯を取り出す。
着信一件。
それは乙葉からの。
【高校生になってもずっと親友でいてね!遥大好き!】
なんて……

「泣く?」
「泣ーきーまーせーんーー」

「あ、けどさ…ありがと」
「いや、行くよ」
「あ、うん」

眠気は覚めた。
一歩踏み出す。

高校生活が始まる___