どうしていつも勇気が出ないんだろう。
  こわいから?おそれているから?
  想われている自信がないから?
  だけど「好き」の気持ちは抑えられない。

   あの人はいつも近くで無邪気な笑顔でとても愛らしく笑ってる。
  時にいじわる ムカつくこともあるのに
  嫌いになれない 忘れられない。
  そのあとの優しさがあるから。

   告おうと何度思ったことか。
  でも嫌われたくない 関係を壊したくない
  そういう風に考えていつも告えない。

   授業中ノートをとらず隣でもない私にノート見せてって聞いてくる。頼ってくれるのはすごく嬉しい。何か特別になれた気分。
  でも無茶なときもある。とりあえずノートとって欲しい。

   「好き」たった2文字昔は言えてた。
  今は言えない。意味を知ったから。
  応援してくれている友達、親友もいる。
  でもゴメン。こわいんだ。振られたあとが。

   いつかは告おう。そう思う。だけどいつ告えばいいのか。ななめで君のこといつも気にしてる。
  バレてないのかな?いつも不思議だ。

   あと一歩、あと一歩前へ、前へ進めばいいだけなのにそれだけなのにできない。
  こわさ、臆病な心が邪魔して抑えられる。
  止まらぬ想いだけが増してゆく。
  「好き」このたった2文字。それだけでこんなに重くなると思いもよらなかった幼き日々。
  幼い頃ならもっと簡単に言えたのに。

   どうしていつも勇気が出ないんだ。
  こわいから?おそれているから?慕われている自信がないから?恋愛対象にさえ入っていないかもしれないから?
  全部そう。それをふっ切って前に進まければいけないと分かっていても、体がそれを拒む。

   「好き」そう告って「俺も」と返ってきたらどんなにいいことか。
  でも、「ゴメン」「ウザい」など言われたら立ち直れないかもしれない。
  「ありがとう」この5文字だけでも心は救われるんだ。

   まだ時間がかかるかもしれない。
  今すぐじゃないかもしれない。
  遅すぎないうちにきっと告う。
  だからそれまで私の前から消えないでね。
  待っていて欲しいなんていわない。
  前にいてくれるなら追いつくまで何度でも何度でも追いかけるから。
  
   私の愛する人の元へと。








   私は最近この曲にはまっている。
  如月ららと水無月ななの“なならら"というユニットが歌っている「「好き」の2文字」という曲だ。

   今の私と同じだといつも思う。

  私、日暮亜矢(ひぐらあや)は河並(かわなみ)中学2ー5である。
  私は同じクラスの日田颯太(ひだそうた)が好き。
  
  好きになったのは夏休み前だっけ?
   私にとって男子の対応としては初めてのことをしてくれた。
 その時に少しドキッてしたかな?

   日田くんは今年初めて同じクラスになった。顔もそこそこで男子からも人気があり、基本誰とでも分け隔てなく喋れる人だ。

   4月の頃は隣でも何とも思ってなかったし、ウザッて思うこともいくらかあった。
  でもそれは次第に消えてゆき、一緒にいて楽しいと思えるようになった。

   そんな感じかな。