「えっ、猫?」 私の一言に、皆が反応する。 私の見る方向一点に、視線が集まる光景は 少しばかり 可愛らしく見えた。 「猫ちゃんどこ〜?」 「せんせぇ、猫ちゃんどこいるんですか?」 「いないよぉ〜⁇」 そりゃあ、勿論、いない。 猫なんて、私見てないもん。 ちょっとした、沈黙が嫌で 嘘をついた。 今更、『噓でしたぁ〜〜!』 ーーで、済むとは思えなかった。 だから私は、猫がいるコトにした。 「ほら、あそこ、 あそこに猫がいるよ! 黒い猫が。」