結局、あの後も氷空は、ほとんど話さなかった。
「じゃあ、赤城!問5、黒板に書いてくれ」
「…ハイ」
カッカッカッ…
「ん?どうした、赤城?具合でも悪いか?」
「え…?」
アイツ、問題の間違いに気付いてねぇな…
「席についていいぞ、代わりに藍澤!」
「は?」
「間違えてるのをなおせ」
まーた、俺っすか。
つーか、俺。数学できねーし。
「ハイハイ」
カッカッカッ…
「はい」
「お、おう…パーフェクト」
「「え、まじで」」
クラス全員が、疑うような目で俺を見る。
これ、大学レベルの問題だしな〜。
数学嫌いで有名な俺に解けるはずねーとか思ってんだろ。
「こんなの余裕だし」
「じゃあ、ついでにもう一問」
しまった。
「陽向出来るみたいなんで、陽向にパスします」
「えぇ!?何もわかんねーよっ!!!」
バカか。中学生でも解けるわこれ。
「X=2!!!」
「正解!よくできたな、お前にしては」
「へっへーん」
絶対カンで答えただろあいつ…
それにしても、氷空…大丈夫かよ?

