「れーーーいーーーとーーー!!!」



お前まで何なんだよ…



「んだよ…うっせーな」




中学から一緒の親友、新田陽向。
すげーイイやつで、周りからも信頼される存在。




「授業中に居眠りしてるから悪いんだろ〜」




ぐっ…


それは否定できねーけど…


あんなつまんねー授業やるほうが悪いだろ!!!




「ハイハイ、またそーやって人のせいにしない」





「む…」




幼馴染みの、赤城氷空。
コイツとは、かれこれ15年の付き合い。


ホント、コイツらには敵わねぇ…




「腹減った〜!早く購買行こーぜ!」




ガキみたいにはしゃぐ陽向。


ほんとにガキみてーだけど…笑


チビだしチビだしチビだし。


そんで、童顔。





「じゃー、行きますか」




対照的に、氷空はクール系で大人っぽいやつかな。


身長は俺より低いけど、178くらいあんだろ。


しかも、イケメンだし。




「麗人、早く行くよ?」




「おう」




俺が説明してる間に、教室から出ていた2人。


俺は、その背中を追いかける。




「お、来た」




「麗人は今日もいつものやつ??」




「んー、そうだな」




俺のいつものやつは、おにぎり3個に、
焼きそばパンとカレーパンとお茶。




「毎日食べて飽きないの?」




「飽きねーよ、だって美味いもん」




「「へぇ〜」」




「んだよっ!!!」




2人して、呆れた顔しやがって…!



くだらない会話をしてたら、いつの間にか購買の前に来ていた。




「「うっわー…」」





俺らの目の前には、購買のパンやおにぎりに戯れる生徒の姿が…




「何人いるんだよコレ…」




「100は居るでしょ?」




「え、もっといるだろ」




うちの高校は、全校生徒800人。


私立の高校だけど、部活動が盛んでスポーツ推薦とかで、来てるやつが結構いたりする。


ちなみに俺らは、学業推薦とスポーツ推薦。


陽向はバカだから、スポーツだけ。




「で、どーするよ?」





「「麗人いけよ」」





「はあ!?」





「だって、いっつも俺と氷空ばっかだもん」





いやー、だってさ。


人混み嫌いなんだよ…


それも、『あの頃』のせいで。




「あれだよ!苦手なのは克服する方がいいだろ!」




ドンッ




勢い良く突き出された俺。





「えー…どーしよ…」





「麗人がんばれーーー!!!」





ガンバレじゃねぇよ…


このやろー…




「とりあえず…いくかー…」





思いきって、群れに入ると…




「おい!空手部の藍澤が通るぞ!開けろ!」




ザザザッ…



シンクロかよ。



って、ツッコミを入れるくらい同時に道を開ける生徒。





「え、俺、なんか悪いことした?」





ちょーど運良く、真横に空手部の後輩がいたから聞いてみた。





「違いますよ?藍澤先輩、超有名人ですから!」





「ナゼ…?」





「秀才で、イケメンで、スポーツ万能だからです!」






「意味ワカンネ…」