ギィギィギィ……
「あと……1時間……ハァハァ……」
12時まであと1時間……
間に合わしてやる!!!
♪〜♪〜♪〜
また胸ポケットのスマホが鳴る。
「親父……」
『麗人!どこにいるんだ!?』
あ……言うの忘れてた。
「わり、今忙しいから切るわ」
『絶対……生きて帰って来いよ』
「ああ、任しとけ」
親父は、俺のことを理解してくれる。
ほんと一言でも、分かってくれる。
『れーい!そーちゃんはー??』
「そーちゃん、これから見付ける!」
『れい……がんばれ!』
「ああ、ありがとな」
ツー…ツー…
「早く……いかねーと!」
あー、クソ!!!
なんでバイクねーんだよ!!!
「あ、ここ斉木町だよな……おっし!」
プルルルル……プルルルル……
『はーい、新塚バイク店でーす』
「あ、てつじ!?」
『おー、麗人か。どした?こんな夜中に』
俺が電話したのは、担任のてつじ。
てつじの家は、ここら辺じゃ一番デカいバイクの店なんだ。
「今からそっち行くから、大型バイク出しといて!頼む!」
『……わーったよ。その代わり、俺の授業マジメに受けろよ!!!』
「さんきゅ!」
ありがとう、てつじ。
「原付きと一緒だよな……?」
原付きの免許は持ってるけど……
ま、いいや。気にしねー。

