2年前の夏、事件は起きた。
ガラガラ……
「ただいま」
夜7時30分、俺は部活から帰って来た。
「れーい!」
俺に飛びついてきたのは、2歳の弟の麗輝。
「ただいま、麗輝」
「麗人おかえり」
「あ、ただいま」
俺の母さんは、氷空の通う病院で看護師をやっている。
「氷空、どーだった?」
「そーちゃんね、結構良くなってたわよ」
俺は、そっと胸をなでおろす。
氷空は、昔から身体が弱くて、いじめられてた。
「良かったぁ……」
「ほんと、そーちゃん好きなのね♪」
ニヤニヤ笑う母さん。
「うるせーよ、麗輝、コンビニ行こーぜ?」
「うー?」
「ご飯食べてから行きなさいよ?」
「うん」
この頃、氷空が………
捕まってるなんて知らなかった。

