ジャリ…





「ここ…か?」





俺は、人気のない建物の近くに来た。





「麗人に連絡しとっか…」





プルルルル…プルルルル…





『氷空!?どーした??』





「さっき、また悲鳴聞こえたから…
 声聞こえたとこ来たんだよ」





『どこだ?』





「杉谷ビル」




『杉谷ビル…?もう潰れてんだろ?』





「ああ…俺、先に行ってっから来てな!」





『あ、ちょ!待てよ氷空!!!』





ブチッ…… 





「待ってろよ…」















俺はもう、人を見捨てない。















あの頃のようには、絶対ならない。
















2年前から、そう決めた。