前回のあらすじ




私はスーパーに来てお母さんのために果物を買いに来た。



その時に偶然居合わせた雪路くん。




買い物を済ませた私は何故か雪路くんとベンチに座っていた。




「何か聞くことはないの?」




「!?っいや…ないけど」




「ふーん…」




まだ、青白いままの雪路くん。何か見ちゃいけないものをみたような。


ベンチのすぐ側で木登りの遊びをしている子供3人。


あの子達は雪路くんの弟、妹だろうか。



1人は、雪路くんにそっくりで雪路くんを小さくしたかのような容姿で笑顔が可愛い男の子。

2人目は、まだ、あどけなさがとれていない。将来的に美人になりそうな女の子。

3人目は、二歳ぐらいだろうか?まだ、ヨチヨチ歩きで可愛いな。おい。








「うーんと…なんてゆーか何となく弟と妹がいるんだみたいな?」




はっ?みたいな顔をする雪路くんはその後、真剣な顔をして立ち上がり。




「あのさ…保健室のことも有るんだけどさ…学校には弟、妹がいることも黙っててくんない?てか、お願いします」




頭を下げる雪路くん。




「ちょっ頭上げてよ!?」




「……」




「本当に頭上げてよ!言わないよっ言うわけないでしょ!」




「え?ホントに」




「言わないよ!」







「ホントにホント?」




「……言わないよ」




「……はあ、ありがとう。」




いや、お礼言われる程じゃないし。
てか、スゴいな汗。

そんなに緊張することだったのか?



汗すごいしハンカチぐらいかしてあげるか。

鞄からハンカチを取り出して一歩、雪路くんに近づき流れ落ちそうな汗を拭いてあげた。


ビクンッと体を揺らした雪路くんは目を見開きビックリしたかのような顔をした。


それは、ビックリするよね。いきなり、合図もなしに雪路くんの頬にハンカチを押し当てるとか。


ちょっと悪いことしたな。




「あっごめんね。汗すごいから」




「…あっ…ちが…ビックリしただけだから」




「そう。」




「…………てか、理由とか聞かないわけ?」




「え?」




「何で、黙っててほしいなんて。」




「…聞いてほしいの?」




「…」




まー聞きたいけど本人が聞いてほしくないのに聞くとか私には……ね。




「…いや。」




「でしょ?汗…兎に角拭きなよ。はい」




ハンカチを渡す。
それを受けとる雪路くん。



「ありがとう…」




「……」





そんなに汗をかくほどに…理由があるんだな。


誰だって聞かれてほしくないことだってあるよね。


私だってあるし。お互い様だ。



てか、今何時?


腕時計を見ると四時を指していた。え?四時?

あれから、一時間もたってるじゃん!


ヤバッ病院に行くのに…。



「雪路くん」




「…?」




「今日は色々とごめんね。それと、君の弟さんと妹さん3人に会えてよかったよ可愛くて。じゃあ、私ようがあって早く行かなきゃ。じゃあね。」




私は、走って駅に向かった。