少しだけ様子を見ようと言われた寝室に入る。

荒く苦しそうな息遣い。
湿らせたタオルで額を拭えばうっすら開く目。
徐々に大きく開かれた目で俺を見上げると、ガバッと布団の中へ潜り込む。

「ごめん、起こすつもりも驚かせるつもりも無くて、・・・すぐ出てくけど、水分だけはちゃんと摂ってな?って自力で摂れるか?」

布団に潜り続ける彼女に声を掛ける。

「・・・」

返事の代わりに布団から目の辺りまでを出して小さく頷く。

こういうのが一々可愛かったりする。

「俊は行ったけど、俺ずっと居るから」

そして又コクコク頷く。
「じゃぁお休み」とそこから離れようとすれば、布団から伸びてきた手に阻止される。

「ん?何か欲しい物ある?」
「・・・まだいて」

掠れた小さな声に「喜んで」と口から勝手に返事の言葉が出た。

ペットボトルに差してあるストローを
彼女に向ければ、少しだけ起き上がりそれを口にした。

用意されてあった椅子に座り、視線を会わせると小さい声で「ありがと」と彼女が呟く。

「どういたしまして」
「ごめんね、」
「ん?」
「わざわざ、ごめんね」